2023.07.10
[salisty5周年記念コンテンツ]せいのちさと胸キュン制作日記

11月某日、一本のメールからプロジェクトが始まった。
「salisty 5周年記念に使う、イラストを描いてください」
担当デザイナーの方は私のセンスを信頼して、私の描く繊細なタッチがsalistyらしい世界観を表現できそうだと考えてくださったのだそうだ。
私の持ち味を存分に生かしつつ、ブランドの世界観に合った、5周年のお祝い感のあるイラストを制作すること。これが今回のお仕事だ。
依頼をいただくのはいつだってとても嬉しいが、同時に「自分にそんな大役が務まるのだろうか・・・」と不安にもなる。今回も例によって100mくらいあとずさりしたくなった。しかし、信頼して任せてくださる担当者さんのためにも、また自分の絵を好きだと言ってくれている人たちのためにも、今できる最高のイラストを描こうと思った。
今回はアイデアを考えるところが特に楽しかったので、その部分にフォーカスして制作日記を書いてみたい。
スペシャルサイトのイラストを描く
統一感が見やすさの鍵

スペシャルサイトのために描くイラストは数点ある。全てのイラストに統一感があると、訪れた人が世界観に浸れて、見やすくセンスのよい雰囲気になるだろう。
統一感を出すためにやることは次の二つだ。
・イラストのタッチを揃える
・配色を揃える
まず、イラストのタッチである。
以前、一つのイラストの中にリアルなタッチのモチーフと、デフォルメ(モチーフを本物の形から変形させること)したタッチのモチーフを共存させてしまったことがあった。「リアル組」「デフォルメ組」はそれぞれ気のいい連中なのだが、一緒になると不協和音を醸し出す。このとき、イラストのタッチは揃えるのが基本則だということを学んだ。
今回、メインのイラストは女性だ。
この女性はある程度デフォルメして描くので、花など他のモチーフもリアルになりすぎないよう、少しデフォルメして描くことにする。
次に配色だ。
salisty のアイテムに使われているような淡くて渋い色調も使いつつ、お祝いの明るい雰囲気があるような配色にしたい。配色カードでだいたいの組み合わせを考えてみた。

私にとって配色を考える作業は、イラストを描く中でも最もおいしい部分だ。ある程度決めたら、あとはアイデア出しの終わりの方でやることにする。
大好きなおかずは最後までとっておきたいのである。
イラストの大まかなアイデアを考える(メインイラスト編)

メインのイラストは「花束を持って飛んでいる女性」との要望だ。初期の案を見てみよう。


描いているうちに、このポーズも悪くはないが、さらに動きのあるポーズにしてみてもよいのではないかと考えた。

では、これらのような足を少し上げるポーズはどうだろう。
ふんわりとした浮遊感が感じられて、イラストとして華やかに仕上がるのではないだろうか。
イラストの大まかなアイデアを考える(カット編)

カットの方は5周年に際して開催されるイベントの内容に合わせたイラストを描く。
たとえば、「5周年記念 POPUP開催!」。
このイラストについては小さな西洋風のお店をモチーフにして、あとは自由に発想して欲しいという要望であった。


お店で扱うsalistyの商品を描くと、細かくなりすぎてしまって何がなんだかわからなくなってしまいそうだ。
「ワクワク」という概念を売っているような表現にできないか考えてみた。

ワクワクの概念をハートで表現してみた。ハートの形は、甘くなりすぎないように気を付ける。
小学生の時、手紙に書くハートの形を試行錯誤した記憶が不意に蘇ってきた。
メインイラスト・カットの実制作へ

イメージが固まったら実際の制作に入っていく。

まず、コピー用紙に下描きをしていく。正直に言うとこの作業が一番大変だ。たくさんの写真資料を用意し、それらを見ながら描く。

下描きが完成。消しては描いた鉛筆の線と、真っ黒に汚れた手は、アナログ絵描きの勲章である(?)。



今度は、最初にある程度考えていたイメージをもとに、配色を考える。
普段は色鉛筆で配色の案を考えるのだが、今回はたくさんの案を考えたかったので、デジタルに頼った。
スキャナで線画を取り込み、描画ソフトを使って、色をつけていく。

メインビジュアルの配色は概ね決まっていたのだが、他のカットの配色はなかなか決まらず苦戦した。
一番楽しい作業ではあるのだが、大切なところであるだけに非常に悩んだ。

さすがに配色の案が多すぎやしないか。この組み合わせはさすがにないんじゃないか・・・みたいな案も混ざっている。もはやお祝いというよりどんちゃん騒ぎだ。
担当の方にも助言をもらい、なんとか配色が決まった。いよいよ本番だ。

ここからは色鉛筆で画用紙に描いていく。失敗できないので、色見本を見ながら慎重に色を選んで描く。

配色案を見ながら、トレース台を使って下描きの輪郭を写す。

輪郭を写し終えたら、あとはひたすら塗っていく。色鉛筆の先を常に尖らせておくように気を付けるのがミソ。
先を尖らせることが面倒に感じたら、「もう休め」のサインである。

こうしてできあがったイラストたち。なんといっても完成した原画は愛おしい。

スキャナで取り込み、デジタル化して完成だ。ブランドの大人可愛い雰囲気や、5周年を祝う華やかさが表現できたのではないだろうか。
終わりに

今回の企画に関して、スペシャルサイトのイラスト以外にも、5周年ロゴ、「#わたしの毎日にありがとう」の手書き文字などなど、本当にいろいろな制作を任せていただいた。


自分としては初めての挑戦ばかりだったのだが、勇気を出して任せてくださったsalistyチームの方々には感謝しかない。
また、制作の中でたくさんの課題が見つかった。もっともっとオシャンティで、みんなの目がハートになるようなイラストが描けるように、精進しなければいけないと実感したのであった。最高の胸キュンへの道は、これからも続く・・・。
おまけ

写真はノベルティ「シードペーパー」のイラストのアイデアを考えているところ。お祝いにふさわしい、花とリボンのモチーフである。

リボンをどんな形にするか悩んでいたので、目をつむるとリボンがくるくるしている映像が浮かぶようになり、さらには夢にまで出てきた。
あのまま続けていたら、リボンの幻覚にも出会えたかもしれない。

私のリボン愛を詰め込んだデザインが、最終的にどうなったのかは、ぜひこちらで確かめてみてほしい。↓
キレイ、をつたえる手もとに
salistyは、
「毎日のひとつひとつの出来事を自分らしく謳歌したい」と願うステキな大人女性の魅力をさりげなく引き立てることをミッションに、「美しい所作と心の余裕」を提供するモバイルアクセサリーブランドです。
salisty Interviewでは、
社会で活躍する様々な女性の気付きやマインドを紐解き、その「手もと」にフォーカス。
「ここちよく、美しく、自分を楽しむ」ためのヒントを発信しています。